2012年7月15日 (日)

宮澤賢治漫画館

 潮出版社から「宮澤賢治漫画館」全5巻が久しぶりに復刻されましたね。
この復刊をずっと待ち続けていました。
 昭和60年から平成8年にかけ出たこのシリーズは多くのマンガ家やイラストレーターにより描かれた宮澤賢治さんの作品のアンソロジー集です。

http://www.usio.co.jp/html/mk_mangakan/index.html

 この作品集の存在を私が知ったのはずっと後で、その時にはなかなか入手困難になっており、唯一入手できた第1巻に収録されたあすなひろしさんによる「セロ弾きゴーシュ」や鈴木康司さんの「月夜のでんしんばしら」等の作品に圧倒された記憶が蘇ってきましたね。
 永島慎二さんや水木しげるさん、水野英子さんや手塚治虫さん等、そうそうたるマンガ家が名を連ねていますが、当然みえると思っていたますむら・ひろしさんの名が見当たらなかったこと。
それに作品として「銀河鉄道の夜」が無かったことが少々意外でした。
 どの作品もそれぞれいい味が出ていますが、畑中純さんによる版画が一番宮澤さんの世界感を表しているのではと感じています。
 ただ、本のカバー画は何を表しているのでしょうか?
特に説明等もないようで、かなり違和感がありましたね。
 多くの作品が収録されていますが、各作品の初出データが無かったことも残念に感じました。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年6月14日 (木)

レイ・ブラッドベリ

6月5日ブラッドベリさんがお亡くなりになったとの報道があり、結構ショックでしたね。
氏の作品に初めて出会ったのは、私が中学の時で、SF小説を読み漁っていた頃、創元推理文庫で表紙画とタイトル名の面白さから思わず購入した「10月はたそがれの国」って幻想短編集でした。
 完全にはまり、氏のほとんどの作品を読みつくしました。
一番人気は「火星年代記」でしょうか?
その後出会ったのが萩尾望都さんの集英社漫画文庫の短編集「ウは宇宙船のウ -ブラッドベリSF傑作選」。
収録作品は次の通り。

・ウは宇宙船のウ  (週刊マーガレット 1978年14号)
・泣きさけぶ女の人(   〃         1978年22号)
・霧笛                   (   〃             1977年9号)
・みずうみ       (    〃       1977年9号)
・ぼくの地下室へおいで( 〃       1978年18号)
・集会         (   〃       1978年32号)
・びっくり箱      (   〃       1978年26号)
・宇宙船乗組員   (   〃       1978年22号)

 
 この頃の萩尾さんのタッチは大好きでしたね。
ただ、萩尾さんの画の白さがどうもブラッドベリの世界感とはマッチしないとも感じました。
もっとグレー(黄昏チック?)と感じていましたので…
 ブラッドベリの雰囲気は手塚さんの「火の鳥」や「鳥人大系」などにも見受けられますね。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2012年1月 1日 (日)

謹賀新年

 あけましておめでとうございます。

久々の書き込みですね。
昨年はプライベートでいろいろあり、かなり停滞してしまいました。
今年は、昨年分も含めて語りたいと思っています。
「UTOPIA」「8マン」「宇宙警備隊」等の昨年の宿題も予定していますが、今年復刻予定の「少年台風」「紅ばら黒ばら」等も語り合うのが楽しみですね。
 本年もよろしくお願いいたします。
              2012年元旦

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年10月 6日 (木)

源とツグミ

 小学館クリエイティブから「源とツグミ 赤目プロ作品集 限定版BOX」が出ています。
週刊少年サンデーに1969年9月14日号から12月21日号まで掲載されたギャグストーリーの時代劇で、白土三平さんの奥さんの李春子さん原作、作画・構成が小山春夫さん。作画スタッフとして岡本鉄二、小堀純子、小井土繁一、国本サチ子4氏が名前を連ねています。
 小山春夫さんは昭和38年頃、少年キングで「真田十勇士猿飛サスケ」を読んで以来のファンでしたね。
白土さんと桑田次郎さんをミックスしたようなシャープな画が素敵で、同じ赤目プロの小島剛夕さんの泥臭さと対照的でした。
ストーリーは親の仇を討つため放浪の旅を続ける白石源之丞と百姓一揆で両親を亡くし、上方へ売られていった姉を訪ねる旅を続ける生活力旺盛な少女ツグミ。それに母を探してちゃっかり2人と旅をともにすることになったスズメと天涯孤独の旅ガラスを気取る運動能力抜群のツムジのドタバタ4人旅のエピソードで構成されています。
 白土さんの作品のような血なまぐささをあまり感じないのもいいですね。
 若干、線がつぶれているのは雑誌からの印刷なんでしょうが、あまり気にはなりませんでした。
 学年誌に掲載された絵物語サスケが別冊付録としてついていますが、なかなかしっかりとした画ですね。
ただ、サスケのストーリーの抜粋ですので、ちょっと小学一年生や二年生には難しい内容ではと感じました。
 小山さんはもう少し評価されてもいいと思いますが、アップルBOXの小山春夫選集3巻くらいしか入手できないのは残念です。
 是非林崎甚助シリーズなどの復刻もしてほしいですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月25日 (木)

サンダーボーイ

 横山光輝さんの「サンダーボーイ 限定版BOX」が小学館クリエイティブから出ています。
少年ブックで1962年4月号から63年12月号まで掲載された作品ですね。
以前アップルBOXで出ていましたが、商業出版としては初の復刻だそうです。
当時入手しそこねてましたので、非常に楽しみに待っていました。
 古城博士が発明した雷のエネルギーを利用した高性能の等身大ロボットは、雷の子(サンダーボーイ)と名付けられていたが、その姿は古城博士の一人息子の健児そっくりだった。
 サンダーボーイは雷のエネルギーを利用すると力を発揮する以外に、健児の脳波にのみ反応し思った通りに操縦できる特色があったとストーリーは続きます。
 サンダーボーイを狙う怪盗メノウやギャング、そのギャングから依頼を受けたロボット学者のダックとのサンダーボーイ争奪戦が見どころです。
 ただサンダーボーイがヒューマノイドタイプにもかかわらず無個性であり、姿も健児スタイルの場合はともかく、人造ヒフが無いスタイルがあまりパッとしないせいか、同じスタイルでありながら恰好良かった鋼鉄人間シグマとどうしても比較してしまいますね。
 健児の脳波に徐々にシンクロし、個性が生まれてきたり、脳波操縦の長所や弱点をもうすこし掘り下げれば良かったのではとも感じました。
 主人公のサンダーボーイの無個性のためか、古城博士やダック博士の個性がより光っていたように思えましたね。
 作品はどうも白っぽいと感じていましたが、雑誌掲載のものは色指定の2色ページのものが含まれていたようです。
 今回は保管されていた原稿をそのまま使用したため、カラーの扉以外は単色になり、アミ指定の部分は鉛筆のタッチを残すままにしたのは、編集部としてその程度を判断することが困難だったためとあとがきで述べられています。
結構そういった復刻ものが多いのですが、雑誌掲載状態の復刻を願っていた私としては、ちょっと残念な結果と考えますね。
 BOXには1969年4月から70年4月まで科学グループ5年生の別冊マッハ69に収録された「消えた少年」が付録として収録されています。
 4次元世界の住人が時間を操るストーリーですが、ちょっと物足りなさを感じる作品ですね。
それに、最後のページの画が唐突に横山さんのタッチでは無くなります。
どうしてでしょうね?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月 2日 (火)

0マン

 小学館クリエイティブから「少年サンデー版 0マン 限定版BOX」が出ています。
6月に出ていたのですが、その頃少々プライベートで忙しくそのままうっちゃっていたのを、最近ようやく読むことができました。
 週刊少年サンデーで昭和34年(1959年)9月13日号から35年12月11日号まで連載された作品ですが、残念ながらリアルタイムで読んだ記憶はありません。
ただリッキーが吹雪の中で死んだようなリーズを抱いているシーンの記憶と、リスのような尻尾を持つキャラクターであるとの認識を幼い時から持っていましたので、親戚の家にあった雑誌を垣間見ていたのかもしれませんね。
 一通り読むことができたのは、1974年に出たサンコミックス版全4巻を入手してです。
 199X年戦争の中、ジャングルで虎にさらわれた赤ん坊を助けた日本兵は、その赤ん坊が尻尾を持っていたこと知るが、日本人として育てることとした。
そして10年が経ち…とストーリーは始まります。
 少年となった赤ん坊はリッキーと名付けられたが、彼は知能、体力ともにずば抜けていた。
 人類にとってヒマラヤの雪男として知られていた知的生物を捕まえた田手上博士は、その知的生物を人類以上の生物として0マンと名付け、やがて人類は0マンに滅ぼされると予言する。
 そして捕えられた0マンと遭遇したリッキーは自分の運命を知ることになり…とストーリーは続きます。
 人類と0マンの抗争を描いたこの作品はストーリー的にかなり複雑な構造を持った作品ですが、子供にとってはリッキーのキャラやSF的な装置群を見るだけでも結構楽しめる構造になっていますね。
 手塚さんのマンガの描き方のテキストでも、その構図の取り方などに引用されていたりしていますし、マンガ的な動きもよく、またスケールの大きな作品でもあるため、私にとって手塚作品の中で、ベスト3のひとつに位置づけている大好きな作品です。
それがやっと雑誌掲載の完全版として読むことができたことは、大変うれしいことです。
いままでの単行本と全然タッチや立体感が違って見えますもんね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年7月31日 (日)

水木しげる 怪奇と風刺作品集

 小学館クリエイティブから水木さんの「怪奇と風刺作品集」が出ています。
収録作品は次の通り。

「じごくの鈴」 ぼくら 1966年8月号
「怪木」 週刊少年キング 1965年5月28日号
「髪様」 漫画天国 1966年5月27日号
「突然の出来事」 リイドコミック 1973年6月号
「バク」 月刊てづかマガジンれお 1971年10月創刊号
「サイレント・ショック 全9話」 現代コミック 1970年
「恐るべきライバル」 漫画天国 1966年6月24日号
「天国(パラダイス)」 漫画天国 1966年11月16日号
「星のカケラ」 週刊漫画サンデー 1967年5月11日
「新あり地獄」 サンデー毎日増刊 劇画&マンガ第2集 1970年判
「最後の妖怪」 新評臨時増刊 ALEDA 妖怪の本 1974年判
「水晶玉」 DONDON 1978年2月号
「黒い砂漠」 週刊漫画アクション 1973年5月24日特大号
「掘り出された鉄鉢 新・雨月物語」 コミックサンデー 1974年1月号

 どの作品もほとんどリアルタイムでは読んでませんが、過去に読んだような記憶があるのは、同じモチーフのリライト作品が多いせいですね。
そこそこ単行本初収録作品もあるのですがねぇ…
 「じごくの鈴」は以前復刻された貸本版「鈴の音」の、「怪木」はやはり貸本の「安い家」の、「髪様」は貸本の「髪」のリライト作品ですね。
 一番うれしかったのはキングで唯一リアルタイムで読んだ記憶があった「怪木」との再会でした。
家の裏の怪木の不気味さが小学生だった当時は結構怖かった記憶があるのですが、水木さんの単行本をいろいろ探したにもかかわらず全く見つけられなかったですもんね。
 改めて作品を読んでみると、作品のひとつひとつが水木さんの妄想の塊のような印象を受けました。
「掘り出された…」を一番面白く感じたのは、白へびの一途さにひかれたせいでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

単行本未収録傑作集 死神

 小学館クリエイティブから横山光輝さんの「単行本未収録傑作集 死神」が出ています。
青年コミック勃興期に月刊少年誌から大人向けのジャンルに挑戦した過渡期の作品集といえると思います。
 収録された9作品は下記の通り。

「殺しの稼業」 別冊プレイボーイ クレイジー 1968年1号 春の号
「なぞのフォート」 週刊プレイボーイ 1968年4月16日号
「チャンピオン」      〃       1968年4月2日号
「あの麻薬を追え」 別冊プレイボーイ クレイジー 1968年2号 夏の号
「死神」               〃           1968年4号 秋の号
「爆音(イグゾースト・ノイズ)」 プレイコミック 1969年6月25日号
「汚れた勝負服」 ジョーカー 1968年8月22日号
「黒い噂」 ビッグコミック 1969年12月10日号
「千里眼ストーン」 北海道新聞 日曜版 1973年11月11日~74年7月14日

 殺し屋、カメラマン、ボクサー、秘密情報員、小説家、カーレーサー、騎手、トップ屋と主人公の職業やジャンルも色々で、謎や陰謀、裏切りにセックスとまさに大人向けのストーリー展開ですが、貸本に比べ少々内容的に物足りなさを感じたのも事実です。
特に女性の描き方が少年誌から抜けきれていないですね…
 最後の「千里眼ストーン」は青年コミックとは全く違ったジャンルの作品で、一見バビル2世のサイドストーリーかと思いました。
こんな作品もあったのですね。
  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月27日 (水)

からすの子

 小学館クリエイティブから白土三平さんの「からすの子」が出ています。
1959年に日本漫画社から出た貸本で、差別を扱った社会派の問題作と言われていた作品ですね。
 ある川の下町の一角のオンボロ部落のモグラ横丁に住む怠け者のゲンさんの子供のミチ子が風呂屋で黒人との混血児の女の子とすり替えられたことからストーリーは始まります。
折しも母親の千代子が自動車事故に会い亡くなるという悲劇の中、ゲンさんはすり替えられた子を自分たちの子供のミチ子として育てることを決意する…
 しかし黒人の血の混じったミチ子はからすの子と言われ、皆からいじめられることになる。
ただ1人豆腐屋のケンちゃんだけがミチ子の味方だったが、ある時ミチ子に奇蹟が起こり顔が白くなる。
しかし逆にゲンさんの顔が黒くなり、周りから差別を受けることにより、ミチ子へのいじめがどのようなものだったかを身を持って悟ることになる…と続きます。
 ゲンさんの自己犠牲によりハッピーエンドを迎えますが、このような題材を扱ったマンガは当時は珍しかったのでしょうか?
 画的には顔の黒さを網掛けで表していますが、ちょっと分かりにくく、斜線で表現した方がよかったのではと思いましたね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月25日 (月)

ウルフガイ

 平井和正さん原作、坂口尚さん漫画によりぼくらマガジンの1970年43号から71年6号まで掲載された作品で、マンガショップから全2巻が出ています。
マンガショップのタイトルは「ウルフガイ- THE ORIGIN-」で上巻のサブタイトルが「狼の紋章」下巻が「狼の怨歌」となっています。
 1979年に発行された奇想天外社版全2巻がありますが、それには収録されることのなかった『狼の怨歌』編と全扉絵を収録した初の完全版で、ウルフガイシリーズの原点ということで、 ‐THE ORIGIN‐というサブタイトルが改めてつけられています。
 以前コミック伝説マガジンという雑誌で、最後の2話分のみが復刻されたことがありますが、奇想天外社版とストーリー的な連続性がありませんでしたので、非常に不満を感じた記憶がよみがえってきました。
もう10年も前の話で、やっとミッシングリングが完結しました。
そういえば当時は毎月伝マガの話題をアップしてましたっけ。
残念ながら伝マガ全巻はとっくに手放してしまいましたが…(最初のアトム復活でケチがついてしまったんですね)
 転校生の犬神明はできるかぎり社会的なかかわりを避けるように振る舞っていたが、その行動から不良や教師から目をつけられていた。
どんな暴力にも無抵抗であるにもかかわらず、翌日には何もなかったように振る舞う明の振る舞いは不良たちの行動をエスカレートさせることに。
そして明に興味と好意を持つ教師の青鹿晶子が囚われた時、明はその本性をあらわすが、その姿は…
 そしてやがて明は人狼の不死の秘密を手に入れようとするCIAや中国情報機関と戦うことになるが…とストーリーは続きます。
 爽快感はありませんね。ストーリー全体に鬱積した感情がこもったように感じます。
坂口さんのマンガはCOM時代から知っていますが、ストーリー的にあまりマッチしていないようにも感じました。
特に人狼の描き方がねぇ…
もっとも同じようなテーマの手塚さんの「バンパイヤ」だって、狼の描き方が気に入りませんでしたけどね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

«グランプリ野郎